いよいよ二〇〇七年から始まった大量定年退職時代。「団塊の世代」と呼ばれる七百万人近い人々が六十歳に達して続々と職場を離れ、新しい生活をスタートさせる。しかし、新生活に明確な計画や展望をもつ人はどれだけいるだろうか。退職とは職を失うことだから、当然、経済的な不安を抱える人もいるだろう。長年、属した組織を離れ、名刺や肩書きのない一個人となることに心もとなさを感じる人もいるに違いない。一方では、「定年」に対して甘い夢やロマンを抱く人たちも多い。
[参考サイト]
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http://suumo.jp/ikkodate/kanagawa/__JJ_JJ010FJ001_arz1030z2bsz1020z2saz101z2taz114.html
私は建築家であるから、以前からこの問題を「家」の面から考えてきた。人生八十年時代と言われる今、男性の平均寿命は七十九・〇〇歳、女性にいたっては八十五・八一歳である(二〇〇六年、厚生労働省調べ)。六十歳の還暦といっても、まだその先に二十年、人によっては三十年以上も人生は続いている。これはもう「余生」などと呼べる年月ではない。実際、今の六十歳はとても元気で若々しい。私自身すでに六十歳を超えたが、自分が「老人」だなどと感じたことはない。幸いにも独立稼業で定年はないから、これからもバリバリ仕事をしていくつもりでいる。おそらく定年退職を迎える七百万人のほとんども「まだまだ」という気持ちでいるのではないだろうか。
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