差押えの登記後の用益権は、短期賃借権を含め、買受人に対抗できないものとなる(民事執行法59条2項)。そこで、申立債権者としては、差押え時点における目的不動産の現況を調査しておく必要かある。なぜなら、執行官による現況調査は差押え後、すみやかに行なわれることになってはいるものの、差押え時点より後にずれ込むので、差押えの登記がされてから執行官が現況調査をするまでの間に占有を開始した者のチェックをすることかできないからである。
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占有権のなかには、差押え時点では占有がなかったのに、差押え以前から占有していたかのごとく装って執行官に申述するものがあり、このような場合、この虚偽性を打ち破るためには、申立債権者が、独自に行なった現況調査の結果得られた資料(占有状況を表わす写真など)を執行裁判所に提出することも考慮する必要があるわけである。現況調査報告書の記載そのものが不十分である場合、または申立債権者の認識と現況調査報告書の内容が食い違っている場合には、執行裁判所に対して、現況調査のやりなおしを上申することができる。その場合、すでに提出されている現況調査報告書の不備または誤りを具体的に指摘した書面をもって執行裁判所に上申する。この上申は執行裁判所の職権発動を促すものにすぎないが、上申内容に理由があれば、執行裁判所は応じてくれる。また、場合によっては、執行裁判所に利害関係人を審尋するよう上申してみることも検討されてよいと思われる。
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